トップページ>…>デジカメ撮影術商品をおいしそうに魅せる撮り方

 食品といってもいろいろありますが、すべての撮影に共通していえるとは「いかにおいしそうに見せるか」です。「きれいな写真=おいしそうに見える写真」とは限らないので、プロカメラマンでもときには悩まされることがあります。商品撮影というよりは、料理撮影ですね。写真で食品をおいしそうに見せることはきれいに撮ることよりも難しいのですが、そのポイントさえおさえてしまえば予想以上に簡単においしそうに撮ることかできますよ。

 取り扱う商品で、飲食店のようにお皿に盛って提供するわけではなく、パッケージになっていると、その形態はさまぎまで、商品によってはさらにラッピングされている場合もあります。当然これらパッケージの写真を掲載する必要があります。でも、これだけだと、商品の中身は想像するしかありません。味に関しては想像すらできないので、期待するしかありません。パッケージの写真だけを見ておいしそうだと感じることは難しいですからね。

 やはり写真からおいしさが伝わってこないと説得力がありません。パッケージの写真、パッケージを開けたときの写真、中身のクローズアップ写真など、複数の写真で商品を説明し、レトルト食品などはお皿に盛りつけたりして調理例を見せてあげるといいでしよう。このようなイメージ写真を加えるだけでアイキャッチ効果がアップし、これによりお客さんがおいしさを想像しやすくなります。

 もちろん、商品パッケージにその中身の写真が印刷されている場合もありますが、これだけでは情報が不十分かつ不親切です。そこで、パッケージ写真だけでなく、商品の中身もきちんと撮影して写真で見せてあげましょう。これは通販カタログなどでは一般的ですが、ここまでやられているショップはかなり少ないと思います。ですからチャンスです。そして、写真だけでなく、実際に食したときの率直な感想を文章でつけ加えてみるのもいいでしょう。

 パッケージの写真も大切ですが、文字情報だけでなく、その中身も写真で見せたほうがお客さんに対して親切です。そのほうがパッケージ写真からは感じ取れないおいしさをストレートに伝えることができます。さらに大胆にクローズアップしてみるのもいいでしょう。中身を見せる場合はダイナミックな絵作りを心がけて、インパクトが強く感じられれば、お客さんの気を引きやすくなります。

 おいしさや新鮮さは、食品の色が濃く見えたり、鮮やかに見えたりするほうが伝わりやすいものです。これは光の当て方と写真の明るさでずいぶんと変わるものなので、液晶モニターでよく確認しながらライティングを行い、露出を決定するようにしましょう。もちろん、前述のとおりデジタルカメラの液晶モニターはある程度の目安にしかならないため、ライティングは問題ないとしても、明るさに関しては露出補正を段階的に行って明るめと暗めの写真を撮影にしておくのがベストです。なお、適正と思われる明るさよりも若干暗めの写真のほうが印象的に色が見えることが多いです。 ただし、どんなに露出とライティングにこだわっても、ホワイトバランスが適正でないと食品はおいしそうに見えません。わずかな色かぶりが、せっかくのおいしさを半減させてしまうのです。そこで、オートホワイトバランスではなく、ライティングに使用する照明に適したホワイトバランスモードに設定して撮影しましょう これでも色かぶりがある場合は、フォトレタッチソフトで色調補正を行うことをお勧めします。また、機種によってはマニュアルホワイトバランス機能を活用するといいでしょう。

 おいしく見せるために利用したいのがテカリです。これは食品の表面に映り込んだ光が部分的に白っぽく見える反射のことです。一般的な商品撮影では好ましくない現象ですが、料理撮影ではこれをうまく利用することでよりおいしく感じられるから不思議です。

   

 カメラ側から平面的な光を当ててもこのテカリはあまりでません。食品の横から後ろにかけて逆光気味のライティングにすると出やすくなります。このほうが立体感も出て、食品の材質感も分かりやすくなります。ただし、あまりやりすぎると逆効果です。食品が白っぽく写ってしまい、色が感じられなくなってしまうので注意しましょう。

 色かぶりはおいしさを半減させてしまうので、光源に適したホウイトバランスモードに設定して撮影することが重要です。ただし、マニュアルホワイトバランス機能が搭載されていないテジタルカメラでは、ミックス光下ではオートに頼らざるを得ません。このような場合は、フォトレタッチソフトで色かぶりを補正しましょう。デジカメ全般的に、蛍光灯の下では「緑色」がかぶり、白熱球の下では「赤色」がかぶってきます。

 全く同じ構図でも、ライティンクが違うだけでおいしさの伝わり方が変わります。逆光気味の柔らかい光がおいしさの秘訣。窓辺などを撮影場所に選ぶだけで、このような仕上がりが簡単手軽に得られます。

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